【介護前の妻の症状】

  1.平行バランスが取り難く、普通の人の様な歩き方が出来ない。

  2.体温が上昇すると下半身に力が入らなくなり、座ったり立つ事が出来なくなる。

  3.連続で15分も歩くと歩行困難になる。

  4.トイレに行く回数が多く、時には失禁する。

  5.疲労度は普通の人より高い。

  6.視力及び視野の低下が発生する事がある。

  7.くすぐったいという感覚が殆ど無く、痛覚も鈍い。

  8.思考能力の低下

  9.基本的に体力が低下した事により車イスを使用しているが、自分で動けない。

     

 

【入院と介護】

  1.著しい体力低下が原因なのか、病状悪化が相乗してか、屋内転倒により下半身に激痛が発生し、

    寝たきりになった事から、褥瘡を併発し更に排尿困難から腎盂腎炎を併発。 

  2.褥瘡部から細菌が体内に入った為、褥瘡部の保護と薬品治療をしつつ細菌感染の治療を受ける。

  3.褥瘡部の新たな皮膚再生を促進しつつ死んだ細胞の除去をしながら、ある程度の回復を待つ。

  4.外科手術により腰横部分から皮膚を引っ張って褥瘡を被せる様な術式を受けた。

  5.手術から1週間を集中治療室で過ごし、更に4週間ほど入院。

  6.当初、在宅療養を検討していたが、病後の緊急治療などの必要性から大学病院から一般の病院へ転院。

  7.大学病院の相談士から障害者認定申請と介護申請をしてみたら?とのアドバイスを受け、書類を提出して

    みたところ、見事に認定を受ける事が出来た。

  8.地元の救急指定病院を訪れ、1〜2カ月の仮入院が可能か相談してみたところ、なんと在宅療養が可能との

    診断が下りた。

  9.近くのケアマネージャを紹介してもらい、必要な事をすべて伝えて1週間が経過した頃に必要な事が全て確定した。

    訪問診療医、訪問看護士、介護ヘルパー、聴覚療養士、リハビリ士など。。

 10.受入体制を整えるべく、3モーター搭載の介護ベッド+サイドテーブル+低反発マット+防水シートを購入。

 11.妻を退院させて在宅療養開始となった。

    年2回の医師会による回診、月2回以上の主治医による訪問診療、週1回のリハビリ治療、週一回の看護師訪問に

    よる体調維持と、介護ヘルパー(昼1時間、午後2時、午後5時の計3回/平日)さん協力による在宅療養である。

 12.退院から数回、ショートの入・退院を続け小康状態を維持していたが、約1年目に褥瘡3度を併発し、病状悪化を懸念

    して低反発マットから自動制御のエアーマット導入となった。

       

    肉芽の発育を促す軟膏を使って治療を続ける事になり、1ヶ月ほど様子を見て自動体位変更機能を持ったエアーマット

    に変更する予定となっている。

 13.外部サプリメントにより、鉄分、カルシウム、マルチビタミンの服用を始めた。

 14.病気による体温上昇が続いた事から咀嚼能力の低下が顕著になって飲食物が口腔内に滞留する事が多くなった。

 15.口腔内洗浄用にジェット水流器(デントレックス)と吸引器を購入した。

      

 

 16.飲食物の咀嚼能力低下により栄養・カロリー不足が続いていた事から胃瘻(イロウ)を視野に入れていた

    のだが、栄養補助液をゼリー状にしたり、ハイカロリーゼリーを併用する事になった。

    一応、、ペーストに近い状態であれば飲み込み出来るので、ミキサーを使う事で通常の食事も可能だった。  

    

    ラコールと呼ばれる製品でバナナ味、コーヒー味、ミルク味の3種類があるが、ミルクが嫌いなので

    バナナ味とコーヒー味を入手する事にした。 (4パック/1日となっている。)

 

 17.原因不明の高熱が1週間ほど継続したことと、タイミング悪く自分の仕事が多忙期に入った事も影響して

    液体の呑み込みが悪くなり、更に体重が36kgまで低下した為、カロリー重視の食事療養に切り替えた。

    ビタミン補給 ⇒ マルチビタミン、即効元気、レピオンゼリー(1個〜2個/日)、ビタミン野菜(200ml/日)

    カロリー強化 ⇒ アガロリーゼリー(85mlで150kcal 8〜12個/日)、ビッグプリン(1個〜2個/日)

    整腸用    ⇒ ヨーグルト各種(限度なし)

    鉄分強化   ⇒ プロッカゼリー(1個〜2個/日)

    タンパク強化 ⇒ プロティンゼリー(1個〜2個/日)

    介護食    ⇒ 5段階に分別される介護食(レトルト)(1食〜2食/日)

    一般食    ⇒ 納豆(小粒)、豆腐、シチュー、カレー、マーボなど簡単に口腔内で潰せるか、スプーン等で

               具材を潰したもの。

 

    医師および看護師の協力により、バランスを見ながら与え続けており、微増ながら体重が増加傾向に向かって

    いて、38kg台まで回復したものの壁があるみたいで、1日に摂取量を更に1.5倍程度に増やさないといけない

    感じになっている。

    1日あたりの摂取食費が、2,000円近くになっているので毎月60,000円近くの出費を余議なくされている。

    介護ヘルパー(午前30分 昼(90分)、午後30分の計3回/平日) 定額で14,500円/日

    リハビリ 2回/週

    言語聴覚士 1回/週

    看護師往診 2回/週

    主治医往診 2回/月 + 代理受診 2回/月(主治医を訪れて診察状況などの連絡含む)

    歯科診療   1回/月

    医師会診察  1回/3カ月       医療関係の費用 120,000円/月 (定額)(薬代、機器代等含まない)

    

    上記の定額とは介護保険、医療保険を適用しない場合の金額なので、実際は負担率に応じた金額になる。

    但し介護保険は認定級により上限が決まっているので、それを超えると満額負担になる。

    最高級の介護5で、360,000/月(個人負担36,000円)が限度額となり、36万円を超過した分は100%

    負担となるのである。

 

18.高熱を発症するごとに徐々に体調が悪化し、遂に誤嚥により食物が気管に入って窒息をおこした。

   普段見られない苦しみ方をしていたので、吐かせる為に3m先にある受け皿を取りに行ったのだが、既にグタ〜と

   した状態になったかと思うと、次第に目が閉じ始めたのである。

   直ぐに呼吸を確認してみたのだが、呼吸停止状態になっていた。

   鼻と喉元に食物が残留していて吸引機を使っても吸い出す事が出来ず、横にして顎を上げて背中を叩いても吐きだす

   気配が無かったので、肺炎覚悟で人口呼吸をおこなう事にした。

   息を吹き込むと吐き出す度にグア〜って音がしていた。

   119番に電話し救急隊が到着するまで人口呼吸をおこない、2回吹きこんでは心臓の鼓動を確認していた。

   5分ほどで救急隊が到着し、そのタイミングで自己呼吸が回復したものの意識レベルはゼロで瞳孔は開いたままだった。

   呼吸自体も危険な呼吸で、放置しておくと心肺停止になる呼吸との事だった。

   直ぐに酸素吸入が始まり、そのまま救急・救命病院に運ばれ、人口呼吸器が接続され集中治療室に入院となった。

   約10日ほど麻酔と高熱により覚醒しても植物人間の様な状態になっていた。

   が、11日目から面会に行くたびに徐々に回復したが、連続挿管は出来ないとの事で気管切開する事になった。

   その為に胃婁の造成が必要になった事は言うまでも無い。

   肺炎の治療が終わり、6月5日に別の病院に転院したものの、ずっと37度〜38度の微熱が出ていて時には反応が鈍くなる

   事がある。

   あと五体としては回復しているが、脳の認識・判断・言語の部分が回復しきれていない状態になっている。

   退院したら24時間看護体制がスタートするが、通常の医療扱いの看護と介護だけは賄い切れず、特別障害時間サービスを

   受ける必要があり、申請をしている最中である。

   普通なら申請・審査・認定がおりるまで2〜3カ月かかるそうだが、急を要する事態である為にケアマネージャーがかけあって

   1カ月ほどで結果が出そうな状態になった。

 

19.転院してから胃瘻の造成をおこない7月初頭に膀胱内結石の破砕が実施された。

   微熱が下がらなかった為、最初の退院予定日に退院する事が困難と判断され、更に10日ほど入院する事になった。

   意識は入院前を100とすると退院時は80ぐらいまで回復していた。

   朝6時にフラッシュ(水50ml)→水400cc滴下→ニュートリート2パック注入→フラッシュ(水100cc+エアー30ml)を実施し、

   夜7時にフラッシュ(水50ml)→水350cc滴下→ニュートリート2パック注入→薬液注入(50ml)→フラッシュ(水100cc+エア

   ー30ml)を実施して、一日に必要な栄養を補給している。

 

20.退院から2週間ほど経過し、ほぼ入院前と変わらないまでに回復した。

   夏場でもある事から日中にヘルパーが、水300ml+塩化ナトリウム1gの滴下を実施することになった。

 

 配膳用のカートを医療品等のカートとして利用している。

     医療品等の保管棚

   

パッドなどは交換しやすい様に一か所にまとめてある。

ベッドテーブルはヘルパーさん用になった。

 

21.膀胱内結石を防止する目的で、クランベリージュースの注入が追加になり、朝の初回フラッシュと最後のフラッシュにクランベリー

   を代用して注入している。

 

22.24時間の介護・看護体制は下記の通りである。

    日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
22時〜翌朝8時 重度障害ヘルパー ×
8時〜9時 通常ヘルパー ×
9時〜12時 重度障害ヘルパー ×
12時〜17時 重度障害ヘルパー × ×
17時〜18時 訪問看護 × ×
18時〜19時 通常ヘルパー × ×
19時〜22時 自分自身 × × × × × × ×
13時半〜14時 主治医訪問(2週間ごと)            
16時〜17時 訪問入浴          

表中の○はヘルパーさん達が入ってくれるが、×のところは自分が担当する時間帯になっている。

基本的に土曜日の昼から日曜日の夜10時まで34時間の連続看護を強いられている。

 

23.カニューレに取り付ける人工鼻の比較

 ソフィットベント(各画像の左側)とサーベント(各画像の右側)の比較である。

価格的には大差が無いが、ソフィットの方が吸入口があるしフィルターも大きめなので良いかも知れない。

 

24.栄養摂取について変更があり、下記の通りとなった。

   朝食    フラッシュ(クランベリー120ml)→ツインライン1セット滴下→塩化ナトリウム水100ml→水20ml+エアー 40ml)

   昼       フラッシュ(水20ml)→水260ml滴下→フラッシュ(水20ml+エアー40ml)

   夕食    フラッシュ(水20ml)→野菜ジュース120ml注入→ツインライン1セット滴下→ニュートリート1パック注入→薬液注入( 100ml)

        →フラッシュ(水20mlcc+エアー30ml)

         *薬液  プレドニン+塩化ナトリウム+抗生物質+ビタミン剤